腹筋を鍛えたいけど、始め方がわからない人は多いです。腹筋を鍛えると姿勢が良くなり、体幹が安定して痩せやすい体になるなど、多くのメリットがあります。自信をもてる体になれば見える世界も変わるかもしれません。
この記事では、腹筋の基礎知識から効果的なトレーニング方法について解説します。記事を読んで、効果的に腹筋を鍛える方法を学び、健康的な体を手に入れましょう。
腹筋の基礎知識
腹筋の理解を深めるために、次の3つの筋肉群について学びましょう。
- 腹直筋
- 外腹斜筋・内腹斜筋
- 腹横筋
腹直筋
腹直筋は6パックとして知られる部分を形成する筋肉で、上部と下部に分けて鍛えます。腹直筋を鍛えることで、引き締まった美しい腹部が手に入ります。クランチやシットアップなどのトレーニングは腹直筋の上部に効果的です。レッグレイズなどは腹直筋の下部に効果があります。
腹直筋のトレーニングは、肥満防止やメタボリックシンドロームの対策にも有効です。過剰な運動は腰に負担をかけるため、注意しましょう。
外腹斜筋・内腹斜筋
外腹斜筋と内腹斜筋は、側屈や回旋動作に関わる筋肉です。外腹斜筋は腰の横から前側にかけて存在し、内腹斜筋は外腹斜筋の内側にあります。外腹斜筋は表層筋、内腹斜筋は深層筋に分類され、鍛えることで腹部のシルエットが整い、体幹が安定して姿勢も改善されます。
腹横筋
腹横筋は腹部の最深部にあり、腹部全体をコルセットのように引き締める役割の筋肉です。鍛えることで姿勢改善や呼吸の効率化に役立ちます。ウエストの引き締め効果が期待でき、コアトレーニングの基盤としても重要です。腹横筋を強化するには、プランクやドローインなどのトレーニングが効果的です。
筋トレで腹筋を鍛えるメリット
筋トレで腹筋を鍛えるメリットは、次の3つが挙げられます。
- 姿勢が改善する
- 体幹が安定する
- 痩せやすい体質になる
姿勢が改善する
腹筋には体の中心部を支える重要な役割を果たします。強い腹筋を持つことで猫背や前かがみが改善され、背中や腰への負担を軽減可能です。体のバランスが良くなり、自信を持って立てます。長時間のデスクワークでも疲れにくくなり、仕事の効率も向上します。
体幹が安定する
体幹が安定することで得られる効果は、以下のとおりです。
- 姿勢が安定する
- バランス能力が向上する
- スポーツパフォーマンスが向上する
- 腰痛の予防と改善に役立つ
- 体力が向上する
- 疲れにくくなる
- 重い物を持ち上げやすくなる
痩せやすい体質になる
腹筋を鍛えると基礎代謝が上がり、痩せやすい体質になります。筋肉量が増えるとカロリー消費が増加し、内臓脂肪も減りやすくなるからです。血糖値の安定やホルモンバランスの改善によって、ストレス解消や免疫力の向上も見込めます。睡眠の質が向上し、食欲のコントロールもしやすくなります。
効果的な腹筋の筋トレ方法
効果的な腹筋の筋トレ方法について、次の3つを押さえましょう。
- 腹直筋トレーニング
- 外腹斜筋・内腹斜筋トレーニング
- 腹横筋トレーニング
腹直筋トレーニング
腹直筋を鍛えるには、次の3つのトレーニングが効果的です。
- クランチ
- シットアップ
- レッグレイズ
クランチ
クランチは腹直筋を集中的に鍛える基本的なトレーニングで、首や肩に力を入れすぎないのがポイントです。反動を使わずにゆっくりと動作を行うことで、より効果的に鍛えられます。
手順は以下のとおりです。
- 仰向けに寝て膝を立てる
- 手を頭の後ろに置く
- 腹直筋を意識して、上半身を持ち上げる
- ゆっくり元の位置に戻る
シットアップ
シットアップはクランチに似たトレーニングで、腹直筋だけでなく腸腰筋も鍛えられます。腰への負担が大きいので、トレーニングのやりすぎに注意してください。
手順は次のとおりです。
- 仰向けに寝て膝を立てる
- 両手を胸の前にクロスする
- 上体を完全に起こし、腰を曲げる
- ゆっくりと元の位置に戻る
レッグレイズ
レッグレイズは下腹部をターゲットにしたトレーニングです。腰を床に押し付けることでより効果が得られます。
以下の手順を繰り返し行ってください。
- 仰向けに寝て両足を伸ばす
- 両手を体の横に置く
- 足を垂直に持ち上げる
- ゆっくりと足を下ろす(足は床につけない)
外腹斜筋・内腹斜筋トレーニング
外腹斜筋・内腹斜筋を鍛えるのに効果的なトレーニングは、次の2つです。
- ツイストクランチ
- サイドプランク
ツイストクランチ
ツイストクランチは腹斜筋を鍛えるのに効果的なトレーニングです。
以下の手順で行います。
- 仰向けに寝て膝を曲げる
- 両手を頭の後ろに置き、肘を広げる
- 上体を起こしながら右肘を左膝に近づける
- 元の位置に戻り、反対側も同様に行う
目安として、1セット20回を3セット行うのがおすすめです。無理のない範囲で行い、痛みが出たらすぐに中止してください。呼吸を意識して、息を吐きながら上体をひねると効果が高まります。初心者でも簡単にできますが、正しいフォームを維持することが重要です。
サイドプランク
サイドプランクは体の側面を鍛えるトレーニングです。
以下の手順で行います。
- 横向きに寝て肘を肩の真下に置く
- 体を一直線に保ちながら腰を持ち上げる
- 20秒間キープする
- 反対側も同様に行う
体をキープする際、腹筋と体幹を使って体を安定させます。初心者は膝を曲げて行いましょう。難易度が下がり、無理なくトレーニングを続けられます。
腹横筋トレーニング
腹横筋は内臓を支える役割を持ち、鍛えることでお腹が引き締まります。
効果的なトレーニングは次の2つです。
- プランク
- ドローイン
プランク
プランクは静的な筋力トレーニングで、腹横筋だけでなく腹直筋や外腹斜筋、内腹斜筋も鍛えられます。
手順は次のとおりです。
- 床にうつ伏せになる
- 前腕とつま先で体を支える
- 肘は肩の真下に置き、腕を前方に伸ばす
呼吸は止めず、頭から踵まで一直線になるように意識するのがポイントです。毎日行う必要はなく、週2〜3回の頻度で十分効果が得られます。時間は20秒から始めて徐々に伸ばしていき、慣れてきたら片腕プランクなどのバリエーションを試しましょう。
ドローイン
ドローインは自宅で気軽にできるため、忙しい初心者におすすめのトレーニングです。
以下の手順で行います。
- 仰向けに寝て膝を立てる
- 腰と背中を床にぴったりとつける
- 深呼吸しながらお腹を凹ませる
- 10秒間キープする
ポイントはお腹を背骨に引き寄せるよう意識することです。1セット10回を目安に行い、慣れてきたら時間や回数を伸ばしましょう。
腹筋を筋トレする際のポイント
腹筋をトレーニングする際のポイントは次の3つです。
- 正しいフォームで行う
- 呼吸法を学ぶ
- 適切な頻度でトレーニングする
正しいフォームで行う
正しいフォームで筋トレを行うと、腹筋にきちんと負荷がかかり、効率的に筋肉を鍛えられます。腰や首に負担がかからず、怪我の予防にもつながります。
クランチを行う際は、以下のポイントに注意してください。
- 背中を床にしっかりとつける
- 首を持ち上げすぎない
- 腹筋を意識して使う
- 腰を反らせない
- 動作をゆっくり行う
- 手は耳の横や胸の前に置く
- 肩甲骨を床から浮かせる程度に上体を起こす
- 下腹部を引き締める
以上を意識すると、トレーニングの効果を最大限に引き出せます。
呼吸法を学ぶ
正しい呼吸法を身につけるのも、トレーニングの効果を最大限に引き出すのに重要です。
正しい呼吸法は次のとおりです。
- 深呼吸を意識する
- お腹を膨らませる
- 鼻から吸って口から吐く
トレーニング中に息を止めると、筋肉に十分な酸素が供給されずに効果が半減します。息を止めず、一定のリズムで呼吸を続けましょう。
適切な頻度でトレーニングする
筋肉が回復する時間は、一般的に48~72時間です。過剰なトレーニングは筋肉の回復を妨げ、怪我のリスクを高めます。トレーニングの頻度は、週に2~3回が理想的です。腹筋を月・水・金曜日にトレーニングする場合は、火・木曜日を休息日に設定してください。
休息日を設ければ筋肉はしっかりと回復し、次のトレーニングで最大限の効果が得られます。自身の体調や疲労度に応じてトレーニングの頻度を調整することも大切です。疲労が溜まっている場合は休息を優先し、次回のトレーニングでより高いパフォーマンスを発揮できるようにしましょう。
腹筋トレーニングの継続方法
腹筋トレーニングを継続して行うには、次の3つの方法が効果的です。
- 目標を設定する
- トレーニングを記録する
- 適度な休息をとる
目標を設定する
明確で具体的な目標を持つことで、モチベーションを維持しやすくなります。3か月で腹筋を6つに割るなど具体的な目標を設定しましょう。週2回、30分間の腹筋トレーニングを行うなど、目標を数値化することも重要です。進捗が確認しやすくなり、自分の成長を実感できます。
長期の目標は最終的なゴールに向かうための道しるべです。短期の目標は毎日のモチベーション維持に役立ちます。目標達成の期限を設けることも大切です。目標に向かう意識が高まり、計画的に取り組めます。仲間を見つけたり、好きな音楽を聴きながらトレーニングを行ったりと、自分に合う方法を見つけてください。
週に1度自分の腹筋状態をチェックして、目標に向かって着実に進んでいるか確かめましょう。自分の能力や目標に合わせてトレーニングプランを作成することも効果的です。
トレーニングを記録する
筋トレの成果を上げるために、トレーニングの記録を残しましょう。自分の能力や成長を確かめるにはデータが必要だからです。トレーニング日時やエクササイズの種類、回数やセット数、重量や負荷を記録してください。体調や気分のメモを残すことで、自分の体の反応も把握できます。
記録はアプリやノートで管理し、写真や動画を活用するのがおすすめです。定期的に見直すことで、より効率的なトレーニング計画を立てられます。
適度な休息をとる
適度な休息は腹筋トレーニングに欠かせません。筋肉は休息中に修復されて成長するためです。過度なトレーニングは筋肉に負担をかけ、逆効果になります。筋肉を十分に回復させ効率よく成長するには、週に2〜3日の休息が適切です。十分な睡眠も筋肉の修復を促進します。休息日には軽いストレッチやヨガを行いましょう。
» 筋トレ前のストレッチ方法
腹筋を割るための食事法
腹筋を割るための食事法について、次の3つを解説します。
- 筋肉を増やす栄養素
- 体脂肪を減らす食事
- 適切な食事タイミング
筋肉を増やす栄養素
筋肉を増やすためには、高タンパク質食品は積極的に摂取しましょう。鶏むね肉や魚、卵や豆類は良質なタンパク質を含み、筋肉の修復と成長に役立ちます。健康な脂肪も大切です。アボカドやナッツ、オリーブオイルの脂肪は、良質なエネルギー源になります。
適切なカロリー摂取も重要です。過度なカロリー制限は筋肉の成長を妨げます。全粒穀物や野菜、果物はトレーニングパフォーマンスを向上させます。ビタミンとミネラルも忘れず摂取しましょう。カルシウムやマグネシウム、ビタミンDは骨の健康を保ち、筋肉の働きをサポートします。
トレーニング中は汗をかくため、十分な水分補給を行ってください。プロテインパウダーやBCAA、クレアチンなどサプリメントの活用もおすすめです。
体脂肪を減らす食事
体脂肪を減らすにはバランスの取れた食事が欠かせません。適切に栄養を摂取しつつ余分なカロリーを排除することで、体脂肪を効率よく減らせます。高タンパク質で低カロリーの食材を選びましょう。鶏むね肉や魚、大豆製品がおすすめです。
食事の回数を増やして少量ずつ摂ることで、血糖値の急激な上昇を防ぎ、脂肪の蓄積を抑えられます。加工食品や高糖質の食品は避けてください。高カロリーで栄養素が少なく、体脂肪を減らすのに不適切です。代わりに野菜や果物を多く摂りましょう。水分を十分に摂ることで代謝が向上し、脂肪の燃焼が促進されます。
飽和脂肪酸を避け、不飽和脂肪酸を摂ることも大切です。オリーブオイルやナッツ類に含まれる不飽和脂肪酸は、体脂肪だけでなく心臓病のリスクも減らします。
適切な食事タイミング
食事のタイミングを適切に管理すると、エネルギーの供給が効率的に行われて筋肉の回復や成長を促進できます。朝食はしっかり摂りましょう。トレーニング日の朝食は、炭水化物とタンパク質を多めに摂ってください。
トレーニング前に軽食を摂るのも効果的です。バナナやヨーグルトなど、消化しやすくエネルギーを素早く供給できる食品が最適です。トレーニング後は、30分以内にタンパク質を摂取すると効果を最大限に引き出せます。プロテインシェイクや鶏肉がおすすめです。
就寝前の食事は控えましょう。消化が遅れると睡眠の質が低下し、体の回復が妨げられます。
腹筋の筋トレに関するよくある質問
腹筋の筋トレに関するよくある質問は、次の4つです。
- 腹筋を割るのにかかる時間は?
- 腹筋だけを鍛えても割れる?
- 筋肉痛がひどい場合の対処法は?
- プロテインは必要?
腹筋を割るのにかかる時間は?
腹筋を割るのにかかる時間は個人差があります。体脂肪率や食事管理、運動の継続状況に個人差があるからです。体脂肪率が高いと、より多くの時間が必要になります。平均で数か月から半年かかります。短期間で結果を出すのは難しいです。継続的な運動と食事管理が必須なのでモチベーションの維持が大切です。
現在の体脂肪率が20%を超えている場合、まずは体脂肪を減らすことから始めましょう。バランスの良い食事と有酸素運動を取り入れると、体脂肪を減らせます。腹筋エクササイズはクランチ、レッグレイズ、プランクが効果的です。体脂肪率が15%程度まで下がると、腹筋が見え始めます。
食事はカロリーを意識し、高タンパクで低脂肪の食事を心がけてください。野菜や果物を多く摂り、加工食品や砂糖の多い食品は避けましょう。
腹筋だけを鍛えても割れる?
腹筋だけを鍛えても腹筋は割れません。腹筋を割るには腹筋トレーニングだけでなく、全身の体脂肪を減らす必要があります。腹筋がいくら発達していても、脂肪が多いと見えません。ランニングやサイクリング、水泳などの有酸素運動を行い、皮下脂肪を少なくしましょう。カロリーを意識した食事管理も重要です。
バランスの良い食事を心がけると体脂肪は減っていきます。筋トレは全身行いましょう。基礎代謝が上がって体脂肪が燃えやすい体質になることで、腹筋もより早く割れます。
筋肉痛がひどい場合の対処法は?
筋肉痛がひどい場合は、まずアイシングを行ってください。冷却ジェルや氷で筋肉を15〜20分冷やすと炎症は軽減されます。軽いストレッチやマッサージで筋肉をほぐすことも効果的です。血流が良くなって痛みが和らぎます。十分な栄養・水分補給も欠かせません。タンパク質は筋肉の回復を促進します。
十分な休息も重要です。筋肉が修復し、次のトレーニングに備えられます。痛みが治らない場合は、抗炎症薬の使用も検討してください。温熱療法もおすすめです。温かいタオルやホットパックで血行が促進され、痛みが緩和されます。整骨院やマッサージセラピストによる施術も効果的です。
激しい運動は避け、軽い運動で筋肉を動かしましょう。筋肉の硬直が治り、回復が早まります。
プロテインは必要?
プロテインは筋肉の成長と修復に必要です。運動後は筋肉が損傷しています。修復には十分なタンパク質が必要です。プロテインには良質なタンパク質が多く含まれており、運動後に摂取すると筋肉の修復を早めてくれます。筋肉の修復速度が速まると筋肉痛も軽減可能です。
十分なタンパク質を食事のみで摂取するのは難しく、プロテインは手軽にタンパク質を補う手段として人気があります。ダイエット中や食事制限中の方にもおすすめです。
まとめ
腹筋を鍛えると、姿勢の改善や体幹の安定、痩せやすい体質になるなど、多くのメリットがあります。腹直筋を鍛えるにはクランチやシットアップが最適です。外腹斜筋・内腹斜筋にはツイストクランチ、腹横筋にはプランクが効果的です。
正しいフォームと呼吸法を守り、適切な頻度でトレーニングすれば、最大限の効果が期待できます。以上のポイントを押さえて、健康的で強い腹筋を手に入れましょう。
» 効果的な筋トレメニューを解説